一般的には、1回目より2回目、2回目より3回目のほうが工事対象となる箇所が多く、
その分費用も大きくなるといわれています。
その理由についてチェックしてみましょう。
大規模修繕工事の実施時期に関しては、建物や状況により様々ですが、
ここでは12年ごとに大規模修繕工事を行うと仮定して考えていきます。
1回目の大規模修繕では、コンクリート躯体の修繕・外壁や鉄部の塗装塗替え
シーリングの打替え・屋上や床の防水修繕などが主になります。
つまり、基本的な修繕と言っても良いでしょう。
2回目では、築24年が経過しているわけですから、1回目で実施した基本的な修繕に加え、
金物や建具なども劣化が進行してきます。
補修などで延命できることもあれば、新しいものに取り換える、更新が必要になる場合もあります。
3回目の大規模修繕では、少なくとも36年以上が経過していることになります。
2回目では延命の判断をした個所においても、更新の必要が出てきます。
給水管や排水管などの設備に関しても更新の検討が必要になっているはずです。
これだけの年数が経過してくると、建物そのものだけではなく、
付帯する設備なども交換の時期に達していると考えられます。
それ以外にも玄関扉やサッシなどの建具も交換の検討が必要になります。
また、実際に30年以上が経過したマンションでは、新築時の購入段階では若かった世代の居住者も
生活の様態の変化や世代交代などにより、求められる環境そのものが変化している実態があります。
通信環境の整備や機能改良、バリアフリー化なども、併せて検討する必要に迫られることでしょう。
さらに、大きな地震が心配される中で、建物の耐震性能の確保も重要度の高い問題です。
これらの問題を解決するために、まず資金面など様々な環境を整えなければなりません。
専門家の見地から、優先順位の設定や資金計画など、十分な協議のもとで準備を進める必要があります。