当然費用が掛かることは理解できるものの、実際マンションの大規模修繕工事にはどのくらいの費用が掛かるのか、
とても重要なポイントになります。
多くの分譲マンションでは、日常管理を行っている管理会社が『長期修繕計画』を策定し、
築何年目で、どのような工事が必要になるのかを管理組合に対して示してくれます。
中には、自主管理という体制のもと、管理組合様が独自にこれらの計画を作成・実施していくケースもあります。
いずれのケースにおいても、この計画の中に、おおよその工事費用を見込んでおり、
そのための『修繕積立金』を蓄えていることでしょう。
つまり、何らかの形で修繕計画がある場合は、その中に大規模修繕工事に必要な費用が記載されています。
一概に金額を示すことが難しい大規模修繕工事費ですが、その理由としては、
建物の仕様・年数・規模・立地条件などにより、必要な工事の内容や範囲も変わってくるところにあります。
一般的には、費用の目安として、1戸あたり100万円前後が相場、という情報が広く見られます。
これはあくまでも目安という考え方にとどめるべきでしょう。
大規模修繕工事の費用は、1回目より2回目、2回目より3回目、というように
回を重ねるごとに金額がかさむ傾向もあるのです。
コストを効率よく抑えるために最も重要なことは、
『その時に必要な工事を必要な範囲で、適正な費用で実施』することです。
理想的なのは、管理組合が長期修繕計画の作成から実施を管理会社任せにせず、
内容をある程度把握し、その内容が適正なのかを判断することです。
場合によっては、計画の内容や修繕積立金の額を早期に見直す必要があるかもしれません。
修繕計画の見通しが甘いために、工事費用が不足してしまい、借り入れが必要にあるケースも決して少なくないのです。
大規模修繕工事の目的は、皆様のマンションの機能と資産価値を維持・回復するところにあります。
とはいえ、そのための資金が不足したために借り入れを行うようでは本末転倒です。