そもそもマンションの大規模修繕工事とは何でしょう。
どのような建物も、年数が経つに従ってだんだんと劣化が進んでいきます。
一般的な戸建て住宅であれば、定期的に外壁や屋根の塗装を行なったり、
劣化が深刻な場合は屋根の葺き替えが必要になる場合もあります。
マンションのようなRC(鉄筋コンクリート)造の建物も同じで、定期的に防水や外壁の修繕が必要になります。
大規模修繕工事とは国土交通省の定める定義として、
マンションの主要構造部と呼ばれる『壁や柱、床、はり、屋根または階段』の中で、
1種類以上の箇所を2分の1超にわたり修繕する工事となっています。
分かりやすく言うと、以下のようなイメージです。
・屋上や屋根の防水工事を行い雨漏れを防ぐ
・外壁タイルの補修や外壁塗装を行い、剥がれて落ちる事が無いようにする
・廊下と階段の床や天井を奇麗に直して、外壁同様に剥がれ落ちないようにする
このように、時間がたって傷んだ箇所の機能を回復することが、マンションにおける大規模修繕工事の目的です。
新築時よりも機能やデザインを向上させる、グレードアップを目的とした工事は、
改良工事・改修工事と言われるもので、大規模修繕工事とは違ったアプローチになるので注意が必要です。
また個人で所有する建物と、分譲マンションのように管理組合で所有する建物で大きく違うところがあります。
個人所有の建物は、その資産価値の帰すところは当然ながら所有者個人です。
しかし分譲マンションは、区分所有者全員が建物の資産価値を共有しており、計画的に建物の修繕を行う事で、
資産価値の維持に努める必要があります。
また、適切な修繕が行われなかったことによる外壁タイルの剥落などにより、第三者に損害を及ぼした場合、
管理組合が責任を問われる場合もあるのです。